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さまざまなサイトで語りつくされていることだが、海外旅行保険のセットプランは多くの人にとっては余計な補償が多い。お金があり余っているのならともかく、費用対効果を考えるのであれば、必要な保険を必要なだけかけたいところ。ここでは自分にとって何が必要か、何が不要なのかを考えてみる。
傷害死亡
自分にとっては最悪の事態であるが、残された者にとってはどうか?自分が死んで経済的に最も困るのは妻であろうが、葬式代を出しても当面生きていける程度の貯金はあるし、共済金や遺族年金も受け取れるはず。またクレジットカード付帯の保険で3000万円が支払われるはずである。これだけあれば、全く働かなくても向こう20年は現在の生活水準を維持していけるはず。人によってどの程度の資産を残すべきかは意見が分かれるだろうが、私はこれで十分と考える。したがって傷害死亡保険の額は最小限でよい。
傷害後遺障害
これはなかなか難しい。一生病院にお世話にならないと生きていけないような体になってしまった場合、いくらかかるか想像も付かない。クレジットカード付帯の保険だけで足りるのだろうか?無論医療費が高額となった場合、日本の健康保険で医療費の大半は賄えるはずだが、全く働けなくなった場合、障害年金だけでは生活を維持することさえ難しいだろう。旅行中に障害を負うリスクが最も高いのは交通事故だろうが、まともな国であれば自動車の保有者に保険の加入が義務付けられているはずで、それほど心配することも無いのかもしれない。そのような制度が不備な国や物価の低い国にいく場合は可能な限り最高額の保険をかけておきたいところ。
障害治療費用
これも上記同様、交通事故が最大のリスクと思われる。障害治療の保険料は補償額に比例しないため、実は補償額を絞ってもあまり保険料の節約にならない。たとえば三井住友海上の場合、ヨーロッパに10日間いく際の障害治療費用の保険料は、補償額100万円に対し保険料が320円、補償額2000万円に対し保険料が400円である。この程度の違いなら最高額をかけてもよいであろう。
疾病死亡・疾病治療費用
自分の健康状態を考慮すると、海外旅行中に重大な疾病にかかる可能性はほぼ皆無である。が、クレジットカード付帯の保険には疾病死亡が付いていないため、死亡時は全く保険金が払われない。妻の最低限の生活を考えて1000万円程度の補償は必要であろう。治療費用はクレジットカードの保険で十分なはず。
救援費用
山岳地帯や離島など救援に費用がかかりそうな地域に行くのでなければ必要ない。クレジットカード付帯のもので十分と考える。
賠償責任
水の流しっぱなしや火の不始末など、自分の過失で大きな被害をもたらす可能性は常に存在する。保険料は非常に安いので、文句無く最高額の補償を選ぶ。
携行品損害
そもそも高額商品を持ち歩かないため、全く必要ない。結構保険料が高いので、節約するのであればまずここから。
以上を実行すると、保険料はセットプランの一番安いのと比べてもずいぶん安くなる。とはいえ可能な限り補償額が高いほうがよいため、NICOSのVIASOカードなど、海外旅行保険付帯のクレジットカードにあと1~2枚は入会したほうがよいのかもしれない。与信枠の無駄遣いになりそうで怖いのだが。