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3月21日、6時過ぎに起床する。今日は伯備線で新見、姫新線で津山、因美線で鳥取に向かい、折り返して郡家から若狭鉄道を往復し、智頭から智頭急行で上郡に抜け、その後は山陽本線~東海道本線で大垣に向かい、ムーンライトながらに乗って東京へ、と言う計画だ。木次線はあきらめることになったが、鳥取県内の鉄道は全て乗り潰せることになる。

米子駅07:36の伯備線に乗り込む。115系2輌編成だ。伯耆大山の手前で日野川を渡り、ここから列車は南に向きを変え、中国山脈の分水嶺に至るまで日野川とその支流に沿って進むことになる。小雨が降っているせいもあるが、日野川の流れは意外に大きい。江尾・武庫付近では綺麗な河岸段丘が見られ、段丘の地形に沿って集落や耕作地が広がる。伯備線は地形にそって走っている区間が長く、トンネルは存外少ない。随所に半径300m程度の曲線が見られ、線形は悪い。特急列車の最高速度は120km/hとはいえ、これでは最高速度で走れる区間はほとんどないだろう。しかも交換駅の一線スルー化も進んでいない。国鉄時代に電化されてから目立った改良は行われていないのだろうか。山陰本線の高速化改良を行ってくれた鳥取・島根の両県に、伯備線の高速化もお願いしたい。列車は幾度かの「やくも」や「サンライズ出雲」との交換・退避を経て、県境の谷田峠(たんだたわ)をトンネルで抜ける。芸備線と備中神代で合流すると、09:48新見到着。

すぐに09:51発の姫新線津山行きに乗り継ぐ。キハ120単行。乗客は少なく、10人ほどか。途中中国勝山までは随所に25km/h制限(雨天時は15km/h制限?)が見られる。中国勝山からは大量の乗車があり、立ち客もかなり出る。隣に座った男性はこの週末妻の実家に帰っていたが、妻と子供を残してこれから東京に戻ると言う。放射能汚染を恐れて家族を避難させるのだろうか?中国勝山からは25km/hの速度制限はなく、快調に走る。伯備線よりもむしろ線形はよいかもしれない。この列車の中国勝山~津山の表定速度は47km/hで、山岳地帯を走る地方交通線の普通列車としては速い部類であろう。津山には11:31に到着する。ホームの向かい側には津山線の11:34発快速岡山行きが停車しており、多くの乗客がそちらに乗り換えて行った。私は同じく11:35発の因美線智頭行きに乗り込む。またもキハ120単行で、乗客は10人ほど。かつては岡山から鳥取へ向かう最短ルートだったのだろうが、非常にさびしい状況だ。例によって25km/h制限もある。県境の美作河井~那岐にある物見トンネルは、3077mあり、長い。このトンネル以外特に見るところの無い線区で、沿線の集落も少なく、長距離列車がなくなれば、寂れるのも当然だろう。智頭には12:43到着。

IMG_3334.JPG

 

 

 

 

 

 

 

智頭からは同じ因美線でも表情の異なる区間だ。智頭急行経由の特急列車だけでも1日13往復が運行されており、普通列車も13往復ある。郡家以北はさらに若狭鉄道からの直通列車が7往復ある。駅前のスーパーであわただしく昼食を調達した後、12:56発の鳥取行きに乗り込む。車輌はHOT3500の2輌編成だ。HOT3500系の内装はJR東日本のキハ100系と共通性が見られる。シート・窓枠・天井のパネルなどは共通の部品であろう。エンジンや台車は異なるので、同型車とは言えないだろうが、部品単位では他社車輌と共通化されているのだろう。列車は当初空いていたが、鳥取に近づくにつれ乗客を増やし、郡家でまとまった乗客を広い、立ち客を出した状態で鳥取に到着した。

IMG_3340.JPG

 

 

 

 

 

 

 

鳥取で食糧を補充した後、14:10の因美線智頭行きで折り返す。キハ47の2輌編成だ。この列車で郡家に向かい、ORITADE。駅前は閑散としている。窓口にて若桜鉄道の乗車券を買おうとするが、車内で買えとのこと。ホームで待っていると、すぐに後続の鳥取発若狭行きが入ってきた。車掌も乗務していたので、若桜までの乗車券を買おうとすると、「往復でご利用されますか?」と聞かれる。往復で利用するなら1日乗車券の方が安いというのでそちらを買うことにする。それにしても・・・乗客は自分も含めて3人。1人は明らかに同業者で、地元客は1人だけだ。これは悲しい。沿線は歴史ある地域らしく、階段状に作られた田の段差部分や、水路の部分は丸石で築かれた古い石垣で補強されている。水路も、ポンプを用いず、川から自然流下だけで田んぼに水を引けるように設計されている部分が見られた。途中駅の駅舎はいずれも開業時のものと思われる木造のもので、比較的大事に使われているように見受けられた。終点の若桜には15:09着。15:16にすぐに折り返す。ここまでは単行だったが、1両増結して2輌編成で折り返す。

IMG_3345.JPG

 

 

 

 

 

 

 

若桜駅の東側には転車台や給水塔などがあり、C12が動体保存されており、体験運転会も開かれているようだ。郡家には15:46に到着し、すぐにホーム向かいに到着した15:50発の智頭行きに乗り換え、智頭には16:19着。ここで、若桜鉄道乗車時から気になっていた、財布の中身を補充すべく、ATMを探すが、自分のキャッシュカードで使えるATMが無い。こんいうときだけはJAで口座を持っていると便利かもしれないと思う。まあ智頭急行の運賃分の現金はあるので、先に進む。智頭急行はJR西日本の駅舎の隣に独立した駅舎を持っており、駅員も配置されている。自動券売機が無いので、窓口にて上郡までのきっぷ(1260円)を買おうとすると、普通列車に乗ることを確認のうえ、一日乗車券を勧められた。普通列車のみに使えて1000円だというので、迷わずこちらを選んだ。16:32の上郡行きに乗車。この列車も乗客はまばらだ。智頭線も陰陽連絡以外の需要は非常に少ない。智頭を出るとすぐにトンネルに入る。智頭付近の山々は杉に覆われており、きちんと枝が落とされ、管理されているのが見える。智頭線は国鉄末期に工事を開始した路線だけあって、トンネル・高架の区間が多く、線形も良い。途中、特急列車との行き違いや退避で長時間停車しながら、上郡には17:53に到着。特急列車の倍の時間が掛かるが、それでも表定速度は41km/hと悪くない。

 

上郡からは東を目指して乗り継ぐのみ。18:08発の姫路行きに乗る。115系だが、中間2両が3500番台で驚いた。3500番台も姫路まで入ってるんだ。だが網干から、先行列車遅れと言う理由で遅れ始める。結局姫路には5分遅れで到着。予定の新快速との乗り継ぎには余裕があるので全然心配していなかったのだが。なんと山崎付近での人身事故により、姫路から上り方面の列車に遅れが出ていると言う。とりあえず18:57発の新快速の車内で待つが、車掌の放送を要約すると内側線を走る列車は走っているが、外側線を走る列車はまだ運行を再開して無いとのこと。従ってこの列車も何時運行を再開するかわからないとのことであった。車掌はT快速利用を勧めていたが、内側線が動いている以上、外側線の復旧に長い時間が掛かることはあるまい、とタカをくくって車内で待つ。案の定、15分ほどの遅延で動き出した。自分の判断に酔いつつ加古川到着。しかしここでなんと再度抑止。車掌は繰り返し何時発車できるかわからないとの放送を繰り返す。自分は最後尾の車輌に乗っていたが、車掌に絡む人も出始めた。目的地が米原なので、快速に乗ったのでは時間が掛かりすぎる。快速では既にムーンライトながらには間に合わないのは確実だ。その一方で、何とかしてムーンライトながらに乗る必要がある以上、快速で可能な限り東を目指し、どこかで新幹線で乗り換えるのが得策と言う気もしていた。車掌の言葉通り、T快速は運行を再会しており、ここで2本の快速に抜かれる。さすがに自分も快速に乗ろうかと、判断が揺らぎ始めた頃、ようやく運行再開との放送が入る。結局加古川発車は65分延。その後は順調に走り、途中で内側線を走る快速もどんどん抜いていく。大阪で車掌が変わり、新大阪を出たところで、ムーンライトながらに乗り継ぐ客は知らせてほしいと言う放送が入ったため、車掌室に向かう。高槻までの間に自分を含め5人の客の申告があったが、果たして待ってくれるのだろうか。現在の遅れであれば、とりあえず米原まで行って、その時点でムーンライトが待ってくれないということなら新幹線で追いかけることも出来る。が、高槻を出たところで再度抑止。なんと桂川~西大路の踏み切りで非常ボタンが押されたと言う。全くついていない。幸い、すぐに運転は再開したが、のろのろと走っており、遅れは増すばかり。米原で新幹線に乗り継ぐのは不可能という結論に達し、京都から新幹線に乗り継ぐことにする。4980円の出費は勿体無いが、18きっぷを使っている以上、このようなリスクは承知だ。18きっぷでの旅行は時間か金が余っている人間の道楽なのだから。車掌も先ほどの5人に対し、ムーンライトが接続待ちをするよう手配はしたが、遅れが拡大したため、ムーンライトながらへの接続が保証できないことを説明し、京都で新幹線に乗り継ぐ様勧めていた。が、このうち1人が車掌に執拗に絡んでいた。要は、18きっぷで新幹線に乗せろ、と言っていたのだが、見苦しい限りだ。列車は京都に到着、この時点で90分延。この客は新快速に継続乗車するようだった。私は急いで新幹線乗換え口に向かう。かつて通学で使っていた懐かしい駅だが、感傷に浸っている余裕はなかった。乗換え口のきっぷ売り場できっぷを買い求めようとするが、窓口がひとつしか開いて無い上、18きっぷで新幹線に乗せろとゴネている人が窓口を塞いでいて前に進まない。頼むからひとつしかない窓口を塞がないでくれ。幸い隣の窓口を空けてくれたので、列は進みだした。ホームに上がると、すぐに22:15発の「のぞみ」96号名古屋行きが入ってきた。

IMG_3354.JPG

 

 

 

 

 

 

 

新幹線は面白みがなくあまり好きではないが、やはり快適だ。たった35分で名古屋に到着。先ほどの新快速は順調に走っていたとしても米原につく頃だろう。ムーンライトながら到着までも15分以上余裕があるため、食糧を調達する。現金が無いが、TOICAで支払える売店があるので問題ない。名古屋ならATMもいくらでもあるだろうけど。程なくムーンライトは入線したが、車内放送によると、大阪方面からの接続列車遅れのため、00:12発になるとのこと。時刻表を見てみたが、00:12前に到着する大垣方面からの列車はなく、特定の列車の接続待ちのためにこの時間まで待つというわけではなさそうだ。あらかじめこの時間にスジが用意してあるのだろう。結果論だが、先ほどの新快速に乗り続けていたとすれば、大垣までしかたどり着けなかった可能性が高い。我ながら京都で新幹線に乗り継いだのは良い選択であった。

車掌が放送していた通り、ムーンライトながらは名古屋を00:12に発車。すぐに寝てしまったらしく、次に記憶があるのは大船を通過したときだ。横浜には定刻に到着。やはり接続列車が遅れたときのために、あらかじめスジが用意してあるのだろう。東京駅から、上野、松戸と乗り継ぎ北小金へ。家に着いたのは06:30頃。これからシャワーを浴びて、いつも通り出勤だ。不思議と良く眠れたので、特に疲れてはいなかった。

 

最後に、今回の旅行が終わった時点での、西日本のJR線乗り潰し状況は以下の通り(マップの作成は http://www.noritsubushi.org/ を利用)。

noritsubushi.PNG

 

 

 

 

 

 

 

 

JR線に完乗するだけでもまだまだ時間が掛かりそう。

 

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